2019.12.23

強化はこれでいいのか?
森保ジャパンが抱えている根本的な問題

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 引き分け以上の結果を残せばタイトルが転がり込むはずだったE-1サッカー選手権の最終節。しかし優勝をかけたその一戦で、日本は28分に喫した失点を最後まで返すことができないまま敗れ去った。逆に3戦全勝となった韓国がタイトルを手中にし、大会3連覇を果たすこととなった。

E-1サッカー選手権で、3戦とも3バックを採用した森保監督 スコアこそ0-1の僅差だったものの、内容は日本が完敗した印象が否めない。それを象徴しているのが、この試合で日本が放ったシュートがわずか3本だったことだ。

 ほとんどの時間帯で自陣に押し込まれた前半は、15分に鈴木武蔵が放った1本のみ。敵陣でボールを握る時間帯が増えた後半も、85分に三浦弦太がミドルシュートを狙うまでシュートを打てず、その3分後の森島司のミドルシュートで打ち止め。枠内シュートは0本だった。

 最終的なボール支配率では、日本が53.86%で上回ったにもかかわらず、ほとんどポジティブな印象を残せなかった。

 その理由はどこにあったのか? この試合を掘り下げたとき、そこには今大会の森保ジャパンが抱えていた根本的な問題が浮かび上がってくる。それは、今大会のメンバー発表の段階から垣間見られた、中途半端なチーム編成と曖昧な目的意識である。

 果たして、森保ジャパンはどのような目標を持ってE-1に臨んでいたのか。A代表の強化か、それとも東京五輪を目指すU-22代表の強化か。視点をどちらに置くかによって、試合の見え方は大きく変わる。

 その根本的な部分を明確にして韓国戦を振り返ると、よい悪いは別として、浮かび上がった疑問のうちいくつかは腑に落ちる。

 まず韓国戦のスタメンは、負傷離脱した橋本拳人に代わって田中碧が入った以外は初戦の中国戦と同じだった。2戦目の香港戦ではスタメンを総入れ替えして臨んでいたことを考えると、予想どおりだった。

 また、橋本の離脱後の香港戦67分の選手交代の狙いも、韓国戦のスタメンによってはっきりした。田中碧に代わって畠中慎之輔を投入し、田中駿汰をCBからボランチに配置変更したその采配には、田中駿汰のボランチでのテストだけでなく、田中碧を韓国戦のスタメンで使うという狙いもあったことがわかる。