久保と堂安が揃い踏みも
U-22代表はなぜ期待外れに終わったのか (2ページ目)
「左利きの3人が並ぶことによって、いろんな効果が生まれますよね。みんな顔を上げてプレーできるし、良い攻撃ができると思いました」と話した小川は、実際にその恩恵を受け、81分には堂安のフィードに抜け出し、GKと1対1に。惜しくもシュートはポストに阻まれたが、この試合でもっともゴールに近づいたシーンだった。
さらにその直後には、右サイドから堂安、久保、そしてボックス内の三好に渡る。ここはトラップが決まらず、GKに抑えられたものの、3人の左利きの技巧派による変化に富む崩しは可能性を感じさせた。
試合後、2列目の左利き三人衆について訊かれた三好は「たまたま」と素っ気なかったが、いつものようにハキハキと自らの印象を述べた。
「どうしてもまだ、チームとしての連係が必要だと思います。個人で攻撃するのはもちろん(大事)ですけど、全員でイメージを共有しなければいけない。(常にパスで)崩せばいいわけではないと思うので、後ろから一本で狙うシーンがあってもいい。どの位置からでもしたたかに相手の隙を狙っていくのが大事だと思います」
そのためには、「もっと遠目からでもシュートを狙っていいと思う」と三好は言う。9月にベルギーへ渡った彼自身、デビュー戦で名門アンデルレヒトを相手に鋭いミドルで決勝点を奪っている。また直近のクラブ・ブルージュ戦では新天地で初めて先発に名を連ね、強豪からの勝利に貢献。欧州での刺激的な日々は、またひとり、左利きの小柄な日本人アタッカーを成長させている。
「海外でそこの意識は(高まった)。日本だと打たないような距離からでも、打つ選手が多いです。自分もそういった幅を持てるようになってきていると思います」
そんな三好の言葉と似たことを話したのは、83分から途中出場した飯野亮太郎(ハート・オブ・ミドロシアン)だ。こちらも今夏から欧州で研鑽を積むスキルフルな攻撃者は、少ない時間の中で積極的に打開を図り、89分にはボックス外からゴールを狙っていったが、シュートは枠を外れた。
「自分の技術ミス。シュートの下手さが出ただけです。あの一本をしっかり枠に飛ばせるように、スコットランドに帰ってしっかり練習します」
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