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内田篤人のブラジルW杯コロンビア戦。
満身創痍で「もう走れなかった」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by JMPA

 内田が冷静に見えたのは、このケガも関係しているだろう。負傷のために自分自身の状態にフォーカスしなければならず、だからこそ「自分たちのサッカー」に浮つく周囲に惑わされることなく、平常心で戦えたのかもしれない。

 内田は手術を回避し、このW杯にギリギリで間に合わせた。直前の合宿でハードなメニューをこなしたことにより、負傷は悪化していたが、それでも3試合にフル出場した。

 コートジボワール戦、ギリシャ戦と、試合を重ねるごとに負傷はひどくなった。宿舎内で階段すら登れず、エレベーターを使っていたという。「ウッチーのテーピングが、日を追うごとにぐるぐる巻きになっていった」と、多くの選手が証言している。コロンビア戦では「もうほとんど走れなかった」と、本人も認めざるを得ない状況だった。

 試合が終わり、日本の敗退が決まると、そのままテレビの取材で「代表引退を考えている」と、第一線の舞台から退くことを示唆した。内田にとっては、それほど衝撃的な敗戦であり、すべてを出し切ったブラジルW杯だった。

 若き日本代表選手たちは、今回の敗戦に、どのような"衝撃"を受けたのだろうか。

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