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内田篤人のブラジルW杯コロンビア戦。
満身創痍で「もう走れなかった」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by JMPA

 そこまで2戦2得点のエース、ハメス・ロドリゲスは後半からの登場。そのハメスになすすべもなく1得点2アシストを決められてしまった。また、85分からは43歳の控えGKが途中出場した。W杯最年長出場記録(当時)を作るための機会を提供してしまったわけだ。

 ブラジルW杯に臨んだ日本代表は、キャリア的にも年齢的にもピークを迎えつつある選手が多く、史上最強との呼び声も高かった。だが、その彼らでさえ一勝もあげられず、力を出し切る前に終わってしまった。

 初戦コートジボワール戦では本田圭佑の得点で先制したが、後半にあっさりと2失点。途中出場したディディエ・ドログバの存在感に圧倒された。第2戦も、ギリシャが退場者を出したにもかかわらず、守る相手を崩しきれず0-0で終えた。

 思えば、どんなに格好は悪くても結果を目指した2010年南アフリカ大会から、内容も求めていこうと戦ったのがこのブラジル大会だった。初戦を終えたアルベルト・ザッケローニ監督や長谷部誠は「自分たちのサッカーができなかった」と口を揃えたが、「自分たちのサッカー」にこだわった結果が1分2敗だった。

 そんなチームにあって、ひとり「内容よりも結果」というスタンスで戦っていたように見えたのが内田篤人だった。

 内田は南アフリカ大会でメンバー入りしたものの、直前の戦術変更で1試合も出場できずに終わった。直後にシャルケ(ドイツ)に渡り、チャンピオンズリーグ準決勝進出やドイツ杯優勝など、輝かしい経験を積んだ。満を持してのブラジルW杯だったわけだが、その4カ月前に大ケガを負っていた。

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