なでしこで絶好調のレフティー。籾木結花の順応性は希少で貴重だ

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 シービリーブスカップ(SheBelieves Cup/アメリカ開催)に参戦中のなでしこジャパンは、ブラジルと第2戦を行ない、3-1で勝利をおさめた。2-2で引き分けたアメリカとの初戦から中二日。移動を伴うタイトな試合日程もさることながら、熊谷紗希(オリンピック・リヨン)、市瀬菜々、齊藤彩佳(ともにベガルタ仙台L)がインフルエンザの診断で欠場を余儀なくされたことも重なり、スタメンの入れ替えは7名にのぼった。

ここまで2戦ともに活躍中の籾木結花ここまで2戦ともに活躍中の籾木結花 高倉麻子監督は、当然のことながら初招集組を存分に起用。最終ラインは右から宮川麻都(日テレ・ベレーザ)、南萌華(浦和レッズL)、大賀理紗子(ノジマステラ神奈川相模原)とフレッシュな面々を並べ、左サイドバックに有吉佐織(日テレ・ベレーザ)を入れてバランスを取る。

 しかし、相手は世界ランク10位、長年世界のトップレベルに君臨しているブラジルだ。個では何とか体を寄せて、シュートを防ぐ場面も見られ、健闘していたが、組織として守る形を作るところには至らなかった。一方、攻撃陣にとっての狙いどころは、ショートカウンターか相手のミスと、ワンチャンスをモノにするしか選択肢がなかったのが現実だ。

 そんな状況を籾木結花(日テレ・ベレーザ)は冷静に見ていた。ここのところ、籾木は勝負を決める切り札として、スーパーサブの役割を担うことが多かった。アメリカ戦では途中出場から鮮やかに同点ゴールを奪い、指揮官の期待に応えている。しかしこの日は、右サイドハーフでスタメン出場し、先制点を奪ってみせた。このゴールは昨年取り組んできたひとつの成果でもあった。

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