半端ない大迫の抜けた穴。試合を重ねるごとに酷くなる森保Jの内容 (2ページ目)
幸いにも、と言うべきか、ベトナムも日本相手とあって、戦い方が慎重だった。奪ったボールが前線に収まった瞬間、前の試合までなら、もっと多くの選手が攻め上がり、厚みのあるカウンターを作り出せたはずだが、この試合では後ろに人数を残したまま、少ない人数で攻め切ろうという意識が強すぎた。
おかげで、日本は失点を避けられた。だが、もしベトナムがもっと積極的な姿勢で果敢に勝負を挑んできていたら、結果はどうなっていたか。そう思わせるほどに、危ういシーンの連続だった。
「後半は相手も少し(運動量が)落ちて、プレッシャーが緩くなった。ガク(MF柴崎岳/ヘタフェ)と自分のところで、しっかりタテに(パスを)つけていくことは意識していた。縦に(パスが)1本入ると、PKをもらったシーンもそうだが、中を崩せるし、(中から)サイドへ展開したときにもスペースがあって、ドリブルで仕掛けられた」
MF遠藤航(シント・トロイデン)がそう語っていたように、後半の日本は、いくらか落ち着きを取り戻し、ベトナムゴールに迫る回数を増やした。そのなかのひとつが、決勝点となるMF堂安律(フローニンゲン)のPKにつながった。
しかしながら、前半に比べて、決定機と呼べるチャンスがどれだけか増えたか。その尺度で見れば、前半からの改善はけっして大きなものではなかった。
振り返ってみると、今大会序盤から、日本の試合内容がよくないことは明らかだった。だが、それについてある程度目をつぶってきたのは、大会前の準備期間の短さなどを前提に、試合を重ねるごとに内容はよくなっていくはずだと見込んでいたからである。
ところが、主力(と思しき)メンバーで戦った4試合に関して言えば、むしろ試合内容は悪化しているのではないだろうか。ベトナム戦を見てしまった今となっては、防戦に終始したサウジアラビア戦を、「割り切って守りに徹した、したたかな勝利」などと捉えるのは難しい。それしかできなかった。そうせざるをえなかった。それが適当な表現だろう。
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