長友佑都を追うレフティ。代表左SB定位置争いに山中亮輔が名乗り (2ページ目)
数字も雄弁に語る。昨季までJ1では通算5シーズンで計2得点だったが、今季はすでに4ゴール。威力と精度を誇る左足のキックは、CKやFKでも相手に脅威を与えた。オーストラリア人指揮官のもと、宿していた潜在能力が殻を破った。ポステコグルー監督も「ヤマは代表にふさわしい選手。成長を続けており、次のレベルに達しようとしている」と山中の代表入りを喜んでいる。
日本が待望した攻撃的な左利きのレフトバックは、「思ったよりも緊張せずに」代表に初先発。マリノスでプレーする時とは異なり、中央のエリアに入ることはほとんどなかったものの、自身の持ち味を存分に披露した。チームメイトもそれを認めている。冒頭の先制ゴールのあと、前半の途中にGK権田修一(サガン鳥栖)からアドバイスを受けるシーンがあった。
「昨日の練習では主に(自陣に)戻ることを要求したんですけど、今日の相手を見て、彼の特徴を生かすには、もう少し高めの内側の位置を取った方がいいのでは、と言いました。そこでセカンドボールを狙った方がいいかな、と」(権田)
山中の全体的なパフォーマンスについては、権田はこんな風に答えてくれた。
「2タッチ目ぐらいであれを決めてしまうのは、さすがです。ここ(代表)に来るだけのポテンシャルがある選手。練習でもそれは感じましたし、頼もしいですね。一般的には、長友(佑都/ガラタサライ)選手の代わりと思われているかもしれないけど、こんなパフォーマンスを見せてくれれば、(監督は)次はどっちを使おうかと(頭を悩ませるはず)。チーム全体の成長のためには、そういう競争が大事。新しく入った選手がこうやって活躍して、良い循環になっていると思います」
日本代表のレフトバックは長きにわたって、長友佑都の独壇場だった。だが10月下旬にチャンピオンズリーグのシャルケ戦で肺気胸を患い、そのポジションが空いた。そこで山中に白羽の矢が立ち、本人も「(長友の)代役と見られていると思う」と自認。けれど、「僕には僕のよさがあると思うので、代わりではなく、僕というプレーヤー(の色)をしっかり出していきたい」と選出直後に語った。
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