主力を脅かす新参者はいたか?「固定化」森保ジャパンに必要な競争 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 現時点で、代表引退を表明した長谷部誠(フランクフルト)や本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)を含めて、これまで代表を担ってきた岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)、乾貴士(ベティス)といった面々の実力は、新参者たちよりも上だろう。

 しかしいずれも30歳前後で、今後を考えると世代交代は急務になっている。南野、中島翔哉(ポルティモネンセ)、遠藤航(シント・トロイデン)、堂安律(フローニンゲン)の台頭は喜ばしいが、まだまだ足りない。

「これで満足したくはないです。ようやく代表の雰囲気に馴染んできたので。自分のプレーを出す、(自分のよさを)知ってもらうようにしないと」

 キルギス戦で初先発し、代表3試合目を戦った22歳のFW北川航也(清水エスパルス)は、ミックスゾーンで記者たちに囲まれながら言った。今シーズンは日本人3位の13得点を記録中。得点を取るためのポジショニング、タイミングに優れ、かつて清水にいた岡崎を思わせる。

「前回、呼ばれたときよりも、リラックスしてプレーできるようになりました。代表に来ることで、もっとうまくなりたい、という欲が出てきたというか。その欲がどんどん大きくなって、パワーが生まれている気がします」

 代表という環境がカタルシスを与える。事実、そうやってスターダムを駆け上がった選手も少なくない。もっとも、北川は冷静だった。

「でも、(主力となっている選手たちと比較して)すべての面でまだ違うと思います。とくにスピード。(堂安)律、サコ(大迫勇也)さん、(中島)翔哉くん......一緒にやってみてクオリティが高かったし、それは試合を外から見ていても思いました。そういう選手たちと、遜色なくできるようになる必要があると思います。

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