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中村憲剛、大島僚太を語る。
「大久保嘉人の加入で劇的に変わった」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― 大島選手がフロンターレに加入したのが2011年。中村選手から見た大島選手の第一印象は?

中村 とにかく、ボールの扱いが上手でした。ただ、当時は正直"それだけ"という感じがありました。誰が見ても、うまいはうまいんですよ。当時から技術はチームでもトップクラスのものを持っていた。それだけに、フロンターレとしても大事に育てていかなければいけない選手だなと思いました。

 あとは、コミュニケーション能力(苦笑)。今でこそメディアの前で堂々と話すようになりましたけど、当時の僚太は本当におとなしかった。自分から発言することなんて、まずなかったですから。本当に、ボールに触っているのが大好きなサッカー少年みたいな感じ。あまり自分の感情を表に出さないし、寡黙。

 でも、その一方で、「こいつは相当な負けず嫌いだな」とも思ったんですよね。一見、謙虚に見えるけど、プレーはふてぶてしいというか、ギラギラしている。だから、面白いタイプだなって思ったのを覚えていますね。

―― ふたりがボランチでコンビを組むようになったのが、風間八宏前監督(現・名古屋グランパス監督)が就任した2012年シーズン途中から。当時の関係性は?

中村 最初はずっと僕の横にいて、ボールを取ったらまず、僕に預けるというような関係性でしたからね。でも、ダブルボランチを組むパートナーとしては、話さなければならないこと、言わなければならないことはいっぱいありました。自分も32歳を迎える年齢で、ボランチとしてのプレーを確立できていた。だからこそ、自分の持っているものはすべて伝えようと。

 ただ、ひとつ言えるのは、僕とは根本的にタイプが違うということ。だから、僚太のよさを活かしつつ、ボランチに必要なゲームメイクであり、試合のテンポをコントロールする術(すべ)、さらにはパスについてなど、事あるごとに話してきたつもりです。

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