2018.07.20

日本サッカーの未来は明るくない。
悪しき「8年サイクル」から脱出へ

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi photo by JMPA

 日本がロシアW杯でベルギーに敗れた後、もっとも気になっていたのは、サッカーを取り巻く日本国内のムードだった。ロシアで取材を続けている時はインターネットが主な情報源になるわけだが、日本代表が帰国した後は歓迎ムード一色に染まっていたようで、どこかのスポーツ新聞には「西野ジャパン、凱旋帰国」という見出しが躍っていたと記憶する。

ベルギーに逆転負けし、試合後の選手の表情は冴えなかった いつから「凱旋」という言葉が負けて帰った時に使われるようになったのかはわからないが、とにかく佳境にさしかかる大会を現地で取材し続けていた身からすると、インターネット経由で伝わるその歓迎ムードは、まるで別世界の出来事のように見えた。

 また、その後しばらくは日本代表の中心選手たちが引っ張りだこの状態でさまざまなメディアに登場し、大会前の沈滞ムードを一気に吹き飛ばすような勢いで日本代表人気が急上昇しているという話も伝わってきた。

 もちろん、日本サッカー界が盛り上がることは喜ばしいことに違いはないが、しかしその類の情報を見聞きする度に、正直、「またか…」という憂鬱な気持ちにもなった。8年前の南アフリカ大会や16年前の日韓大会の後と、そっくりなムードだからだ。

 こうしてこの国のサッカーは、8年ごとに同じサイクルを繰り返す。前に進み続けていると勘違いしているだけで、実際は8年周期で同じところを回っているに過ぎないのではないだろうか。そしてまたそのサイクルが、これから始まろうとしている。

 それを想像しただけで、暗澹たる気分に襲われてしまう。

 本番2カ月前に就任した西野朗監督が率いた今回の日本代表は、グループリーグでは2位の成績を残して決勝トーナメントに進出し、ラウンド16でベルギーに敗れた。敗戦が決まったのは、後半アディショナルタイム90+4分のことだった。

 結局、帰国した日本代表が称賛の嵐の中で迎えられたのは、大会前にはほとんど期待されていなかったチームがベスト16に生き残り、しかも最後に日本代表史上でもベストといえるスペクタクルマッチを戦ったからだろう。たとえ敗れたとしても、あの試合を見たファンが興奮し、感動するのは当然だ。