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セネガル戦では、本田圭佑の「スッキリ」が
同点以上の価値だった (5ページ目)

  • photo by JMPA

中山 あのゴールは、本田が決めたということが、同点に追いついた以上の価値があったと思います。今大会の本田は、直前で香川にトップ下のポジションを奪われた格好で本番を迎えたため、サブに回ってしまった自分をまだ完全に消化しきれていないと感じていました。

 でも、このゴールによって、「スーパーサブ」としての自分の役割をスッキリした気持ちで受け入れることができた。それまで周りも気を使うところがあったと思いますが、このゴールによってチームの中に残されていた、数少ない「濁り」みたいなものを取り除くことができたのではないでしょうか。

倉敷 第1戦のコロンビア戦は「相手が10人だから勝てたのだろう?」といった冷ややかな声も聞こえましたが、11人が相手でも見応え十分な戦いを演じました。特に2度追いつけたことは日本代表の流通イメージとしてとてもよかったと感じます。

 1戦目で大迫がゴールを決めて歓喜するシーンは、映像としてとてもよかったし、乾や本田のゴールで日本中が沸いているシーンも世界に配信され、日本におけるサッカーの愛され度合いとか、日本のサッカーは楽しいとか、レベルの高いゴールだったとか、世界各地で日本を語ってもらううえで、本当によい話題を提供できたと思います。これってすごく大事な外交ではないでしょうか。

 さて2試合を振り返ったところで、あらためて大会前からよくなった部分、課題として残っている部分について伺います。小澤さんはどう見ていますか。

小澤 まずよくなった点は、計算できる選手を配置して、欧州でプレーする選手たちが自ら培ってきた戦術リテラシーの高さによって、近くにいる選手との連携を高めあえていたことでしょう。逆に言うと、そういうユニットをうまく使ったということも含めて、西野朗監督のスタメン11人の選考自体はうまくいったと思います。

 その一方で、対戦相手にとってはスカウティングしにくい部分はあるにせよ、選手任せのサッカーであるがために、チームとしてベースとなる戦術や構造がなく、ディテールの部分ではボロが出てしまうという点は見えました。

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