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「西野さんはカンで勝負する」。
松原良香が語る恩師のマネジメント術 (2ページ目)

  • text by Sportiva 高橋学●写真 photo by Takahashi Manabu

 西野さんは、僕が現役を引退したあとも、会うと「お前はどう思う?」「お前だったらどうする?」と聞いてくるんです。そうやってお互いをひとつにして、最後は西野さん本人が決断する。そういうマネジメントのスタイルが、日本のよさを引き出したんだと思います。

「エビアン会」という、アトランタ五輪のメンバーなどを中心に、年に1度集まってお酒を飲みながら西野さんを囲む会があります。今年は2月にあって、いろいろな話をしました。当時、西野さんは技術委員長で、もちろん、やがて監督になるなどという素振りはまったくありませんでした。ただ、そのときから「日本らしさ」ということはおっしゃっていたんです。

 ハリルホジッチの言う「デュエル」「縦に速く」というのはこれまでの日本になかったことで、確かに重要だけれども、それをやりつつ、やはり日本らしくプレーする必要がある、と。パスワーク、連動性、組織力といったものを生かし、全部が全部、縦に速くなるのではなくて、状況に合わせて横に動かすことも必要だと言っていました。

 その後、西野さんが監督に就任し、欧州に行って日本の選手たちに会って回るという前日の4月26日にもお会いしました。何人かの選手はまったくいい状態ではなかったので、だいぶ心配をしていましたね。「コンディションがすべてだ」くらいのことをおっしゃっていました。

 僕は西野さんが監督としてすばらしいところは、「準備」と「試合の分析力」、そしてそれに裏打ちされた「勘」で勝負することではないかと思うんです。

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