スペインの知将が西野采配に苦言。「3人の選手は効果的でなかった」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 日本が用意した策が、戦いに挑んだときにはすでに破綻していたことを、エチャリは強調した。

「ポーランドは慎重で受け身の戦いだった。ロベルト・レバンドフスキにはいつものような鋭さがなかった。ラファウ・クルザワの左足だけが日本に脅威を与えていた。

 その結果、日本はボールを持ってプレーすることができていた。しかし、敵中深くまでは切り込めていない。ディフェンスラインの前で回すだけ。前半9分までで3回もボールを失うなど、危険な兆候も出ていた。

 コロンビア戦、セネガル戦はサイドが起点になっていたが、この日はコンビネーションがまったく使えていなかった。宇佐美貴史は攻撃も守備も、ほとんど効果的なプレーができなかった。また、酒井高徳はボールを受けても、失いすぎた。サイドで攻守の起点を作れなかった。

 そして、日本はポーランドにじわじわと攻め寄せられる。前半32分にはGK川島永嗣がカミル・グロシツキのシュートをセービング。ゴールライン上で際どかった。

 日本は攻守が明らかにちぐはぐだった。中盤が安定しなかったことが大きいだろう。長谷部誠の代わりに抜擢された山口蛍は、ボールに対するアクションが早すぎた。目の前のボールにつられてしまい、相手にバックラインの前のスペースを与えていた。我慢強く待ち受け、敵を引き込むべきところで、簡単にラインを突破されるパスを入れられていた。その危険なゾーンでボールを持たれたことで、日本は後手を踏まざるを得なかった」

 前半を終えて0-0というスコアも、「見ていられなかった」とエチャリは振り返る。

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