阪口夢穂のケガで窮地の
なでしこジャパンに「もう1人の阪口」が出現 (4ページ目)
1トップ以外の全員が守備に回る狭いスペースの中で確実に触れる空間を見つけ出し、相手DFの間に顔を出す。自分が欲しい場所であると同時に味方が見つけやすい位置を完全に把握している動きだった。
「光るプレーが随所にあった。点を取ることを期待していたが、今日は結果が出なくて残念」とは指揮官の評価だが、その表情は実に楽しそうだ。新潟での阪口萌乃のプレーをずっと見ていたという高倉監督。急遽招集され、国際試合はこれが初キャップ。もう少し前を向いてプレーできれば、また形も変わったかもしれないが、それはまた次回の期待に取っておこう。
阪口夢穂の長期離脱は、チームを熟成させるべきこの時期に痛恨の出来事である。しかし、だからこそ生みだせるプレーもあるはずだ。
来月に予定されているアメリカ遠征では、アメリカ、オーストラリア、ブラジルと戦う。世界の強豪を相手にしたとき、新たなピースがどのように対抗してくれるのか。不在を埋める力を発揮したときに初めて成長が見える。十分な練習はできなかったが、ニュージーランド遠征はその第一歩になっただろう。
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