西野ジャパンのサッカーを心配する。
「ザック時代に戻るのはやめて」
どうなる?西野ジャパン~杉山茂樹×浅田真樹(前編)
ロシアW杯を目前にしてスクランブル発進となった西野ジャパン。その目指すところはどういうサッカーなのか。ハリルジャパンとは何が違うのか。35人の予備登録メンバー選出の期限を前に、サッカーライターの杉山茂樹氏と浅田真樹氏が語り合った。
――まずは、この時期に監督を交代したことのメリットとデメリットについて聞かせてください。
就任後は欧州に渡って選手と面談を重ねるなど、精力的に動き回る西野朗監督浅田 そもそもハリルホジッチは、本番の一発勝負にうまく対応することを得意としている監督です。ある意味で、得意でないことをやっている間は手をこまねいて見ていて、ここからが彼の力が出るところだったはずなので、ここまで引っ張って解任というのは、僕は「なし」だと思っているんです。別にハリルホジッチがいいと言っているわけじゃないですよ。機を逸したので、もう「なしでしょう」と。
だから、杉山さんもスポルティーバに書いていましたけど、解任の理由でサッカーが語られないということに、すごく違和感がありました。僕らはこういうサッカーを目指している。彼はこういうサッカーをやろうとしている。だから合わないから監督をやめてくれ、というならわかるけど、信頼関係が何だとか......。
杉山 ああいうサッカー以外の価値観に置き換えちゃっているところが問題で、仲が悪くなったからというような話になってしまって、選手と監督は友達じゃないんだから、それは違うだろう、と。なぜチームがまとまらないか、コミュニケーションがうまくいかないかといったら、サッカーの焦点がぼやけているからで、ならばそのサッカーは何だったんだという話をするいい機会だったのに、それをしなかった。
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