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西野ジャパンのサッカーを心配する。
「ザック時代に戻るのはやめて」 (2ページ目)

  • text by Sportiva photo by Fujita Masato

 僕は、監督は代えたほうがいいと思っていました。その理由は、「ああいうサッカーをW杯という世界の品評会的な色彩も備えた舞台で披露する日本の"出し物"としてはどうなんだ」というのが僕の意見です。

浅田 杉山さんの言い方を借りれば、もしかしたら西野さんになったって"出し物"は同じ可能性もあるわけですよね。

杉山 危険度は低いと思うけど、あるんです。だから西野さんの言葉を細かく聞いていたけど、結局、何が変わるのかは不鮮明でした。そうするとこっちが勝手に想像するしかない、探りを入れるしかなくて、議論は活発化しないわけです。何か方針をバーンと出せば、「誰が選ばれるのかな」というような話ができるんだけど。

浅田 でも極端な話、5バックでゴリゴリに守り倒すかもしれないですよね、いざとなったら。実際、アトランタオリンピックではそうしたわけですから。

杉山 あれは本当に100年に1度の奇跡だから、1回起こした人にはたぶんもうない(笑)。でもアトランタが西野さんの中に成功体験として残っているのかどうか、という問題もありますね。あれから20年経って、もう守っているだけではダメだというのは世の中の常識になっているんだから。

浅田 言い方は難しいけど、監督としての西野さんは、ガンバ大阪のころから、個人を生かすという感じはします。個人ありきのサッカーで、悪く言えば個人任せのサッカー。タレントを並べて「さあ、行ってこい」という感じで、そんなに理詰めで構築されているという印象はありませんね。

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