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スペインの名将がウクライナ戦に苦言。
「日本は1対1の決闘をするな」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 一方、ウクライナはサイドにスピードがあって、アグレッシブな選手を揃えた4-1-4-1で挑んでいる。両センターバックは堅く強く、アンカーのタラス・ステパネンコがセンスのいいポジショニングで日本の攻撃を断ち切った。そしてアタックラインは左利きが多く、特に左サイドのイェウヘン・コノプリャンカは何度となく酒井高の裏を取り、決定機を作っている」

 エチャリはそう言ってから、厳しい批評を展開した。

「日本の立ち上がりは悪くなかった。コンビネーションから何度かゴール前にも迫っている。しかし攻撃を受けると、最終ラインが下がってしまう。結果、ラインが間延びし、ギャップを作ってしまい、そこに好きなように侵入された。各選手が勝手にプレスにいき、はがされてはスペースを使われる、という後手に回った。自ら戦術的優位を相手に譲ってしまっていた。

 守備は脆弱で、戦術的に不用意だった。例えば、山口はインターセプトを狙いにいっては、入れ替わられている。前半、オレクサンドル・ジンチェンコに対してスライディングで挑み、あっさりとかわされたシーンは、戦術的判断として痛恨のミスだった。

 山口は"攻撃を遅らせる"という選択をすべきときに何度もインターセプトを狙いにいき、チームを苦境に陥れている。ボランチが一か八かで食らいついてかわされてしまえば、高いレベルでは失点に直結する」

 エチャリはロンドン五輪以来、山口の能力を高く評価しているが、ポジショニングや判断に関しては注文をつけてきた。

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