本田圭佑が語っていたハリル流との「相性の悪さ」。23人に残るのか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 めちゃめちゃスプリントが得意な選手だったら、20本、30本と抜けられるけど、僕の場合、20本、30本抜けたら他のプレーがボロボロになっちゃう。自分の強みを生かしながら監督が求めるものも出して、結果的に点が獲れるという絵を描くのは、ここで話している以上に難しい」

 そんな相性の悪さがモロに出たのがウクライナ戦だった。先発した本田は右サイドでひとり遅攻を選択し、周囲と噛み合わずに終わった。シュートは0本。ハリルホジッチは試合を振り返る中でこう語っている。

「中央にいる選手がパワーで対応することも必要だと思うので、私もたくさんのオプションを見ている。ボールを持ったら、瞬発力、スピード、リズムの変化、速いボール回し、前に向かう動きが必要だと思う。今日は引いて(ボールを)もらう動き、相手ゴールに背を向けた動きが多すぎた。そういった面も変えていかないと、本大会ではうまくいかないと思う。我々の特徴に合ったものを実行しないといけない」

 中央にいる選手がパワーで対応することが日本代表の特徴に合っているかどうかは、はなはだ疑問だが、指揮官の認識は違うようだ。そして「ゴールに背を向けた動きが多い」というのは、暗に本田を指しているように聞こえた。そしてこうも言った。

「応援している方々は、日本がボールを持って仕掛け続けることを期待するだろうが、そのようなぜいたくなことはできない」

 これに対して本田は、発言内容だけをみれば指揮官に真っ向勝負に出るようなことを語っている。

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