やはり、川澄奈穂美がいると違うのか。なでしこ大勝でアジア杯に臨む

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 来年のワールドカップ出場枠獲得とともに大会2連覇がかかった「AFC女子アジアカップ」(4月7日~/ヨルダン)を前に、なでしこジャパンが国内最後の強化試合を行ない、ガーナ相手に7-1で大勝した。

2年ぶりの代表で川澄奈穂美(左)は鮫島彩(右)との連係も見せた2年ぶりの代表で川澄奈穂美(左)は鮫島彩(右)との連係も見せた 圧倒的に試合を支配したのは予想通り日本だった。最終ラインの裏を狙っていく日本は、ズルズルと下がり始めるガーナ守備陣に22本のシュートを浴びせ、7ゴール奪取。熊谷紗季(オリンピック・リヨン)、宇津木瑠美(シアトル・レイン)、横山久美(フランクフルト)らヨルダン合流組との呼吸を合わせるという課題は残ったものの、「ポジティブな要素の多い試合」(高倉麻子監督)になった。

 前半、動きが光ったのは左サイドハーフの増矢理花(INAC神戸)だった。「相手がどんなプレーをするかわからなかった」とイメージを固めずにピッチに立った増矢だが、ファーストプレーで中に切り込むと相手が食いつき、前方にスペースが生まれた。そこを見逃さなかったのは後ろにいた鮫島彩(INAC神戸)だ。

 鮫島は、増矢に中央寄りのポジションを取らせた。結果、ゴールラッシュの口火を切る先制ゴールが生まれる。増矢がドリブルで中央に持ち込むとDFを引きつけ、逆サイドに生まれたスペースにボールを流す。それに反応していた田中美南(日テレ・ベレーザ)が合わせた。その後も増矢が中央寄りでプレーをすることで鮫島がオーバーラップしやすくなり、前半は左サイドから続々と好機が生まれた。

 約3週間前のアルガルベカップでは再三のチャンスを決めきれずにいた増矢。「やり続けていれば、いつか結果に結びつくはず」と、貫いてきた積極的な攻めの姿勢が結実したのは43分。鮫島からのロングフィードを中島依美(INAC神戸)が絶妙のタイミングで折り返す。鋭く中央へ走り込んだ増矢が「自分自身でゴールを獲れたことは大きかった」と、自信につながるファインゴールで日本の3点目を決めた。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る