森保ジャパンの基本は守備。
サンフレッチェより、むしろアントラーズ (3ページ目)
森保監督のもとで1年半ほどプレーした経験を持つ、広島所属のMF森島司は「(森保監督は)練習から激しさを求めたりするところは変わっていないが、やろうとすることは少し違う」と言い、こう話す。
「広島のときはボランチが(DFラインに)下りて後ろでゆっくり回して、バックパスも結構多く、相手をわざと広げて(から攻める)という感じだったが、今は3枚で回して、2ボランチがあまり下りずにやっているので、前への意識がちょっと強いのかなと思う」
なぜ、広島時代とはやり方を変えているのだろうか。その答えをひと言で言えば、このチームの最重要コンセプト、「いい守備からいい攻撃につなげる」を実現するため、ということになるのだろう。森保監督が語る。
「よりいい形で守備から攻撃につなぐために、ボランチ1枚ではなく、2枚で関わっていく。攻撃から守備に切り替わったときにも、2枚のほうがよりいいバランスで相手にプレッシャーをかけていけると思うし、相手の攻撃を受ける時間が長くなっても、バランスをあまり崩さずに対応できると思う。ボランチには前線とDFのつなぎ役、右と左のつなぎ役として、攻守にわたってできるだけ中央で関わってもらいたいと思っている」
広島の3-4-2-1は、攻撃時には4-3-3、極端に言えば4-1-5のような形になり、攻撃に迫力は生まれる一方で、中盤はボランチひとりという危うい状態になりやすかった。
J1での広島のように、圧倒的にボールを保持して試合を進められるなら、それでもいいだろうが、「世界のよりレベルの高い相手と戦っていくときには、守備をする時間とか、耐える時間が長くなることを想定してやらなければならない」と森保監督。「そう考えたとき、今の形は悪くないと思っている」という指揮官が引き合いに出したのは、一昨年のクラブW杯で決勝に進出した、鹿島アントラーズの戦いぶりである。
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