森保ジャパンの基本は守備。サンフレッチェより、むしろアントラーズ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 森保監督が目指すサッカーにおいて、まず誰の目にも明らかな特徴が前記したフォーメーション、すなわち3-4-2-1である。森保監督が広島を率い、2012年~2015年の4シーズンで3度のJ1制覇を成し遂げたときに用いた布陣だ。

 J1優勝回数で歴代最多タイの記録を持つ名将は、「これが3-4-3なのか、3-6-1なのか、どう表現するかはともかく、今後、4-4-2や4-2-3-1になったとしても、(今のやり方が)必ず生きてくると思っているので、基本的にはこれをベースにやっていきたい」と語る。

 とはいえ、指揮官がこのチームでも「サンフレッチェのサッカー」を確立しようとしているのかと言うと、必ずしもそうではない。

 森保監督は、「守りだけの守りではなく、きっちりと守ったあとに攻撃に出ていくということを、僕は広島で5年半くらい、基本的にこうやって(この布陣で)やっていたので、ある程度の手応えと、自分のなかに(やれるという)感覚がある」と口にしながらも、こう続けている。

「それをこのチームに落としていきたいし、選手にもやれるようにしてほしいと思うが、それが広島のサッカー(と同じ)なのかと言われたら、それはちょっと......、そうではないかなとは思っている」

 確かに、見た目にもわかりやすい広島との違いもある。それがビルドアップのやり方だ。

 広島のときは、2ボランチのうち1枚が落ち、DFラインを4枚にしてボールを動かした。そして左右のアウトサイドMFを高い位置まで押し出し、4-3-3に近い形を作って、厚みのある攻撃を繰り広げた。

 だが、U―21代表では、ビルドアップのときにボランチがはっきりと落ちることはなく、基本的にDFラインは3枚でボールを回す。2枚のボランチは、いずれも中盤にとどまることが期待されている。

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