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「無風」とナメられたH組で日本が
ポーランドに番狂わせを起こすには (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 もしあのとき、ポルトガルにPK勝ちを収めていればベスト4。となれば、その瞬間、ポーランドのネームバリューはハネ上がっていたはずだ。しかしながら今回、日本で抽選会の模様を伝えていたテレビの女性キャスターが開口一番、発していた楽観的な言葉から世の中の空気を察すれば、「ポーランド与(くみ)しやすし」が一般の反応だろう。このギャップをいち早く埋めることが、日本のファンにとっては急務になる。

 看板選手であるCF、ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)を日本は止めることができるのか。それも確かに見どころのひとつになるが、それ以上に目を凝らすべきは、ポーランドのサッカーそのものの質だ。

 まず速い。次に大きい。ピッチを大きく使った幅広い展開から、急所にパスをグイグイと配球していくサッカーは迫力満点で、攻撃的だ。そして手堅い。大崩れしない安定した気質を備える。スウェーデン的であり、ウクライナ的でもあり、デンマーク的でもあり、ドイツ的でもある。

 巧さも兼ね備えるが、全体的なイメージは硬質だ。コロンビアとは対極に位置するサッカー。少々強引に言えば、ハリルジャパン的なところもある。ボール支配率より、縦への速さを重視するという点で、両者は一致する。

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