W杯の予想を前に福田正博が思い出す、
日本を戒めた「オシムの言葉」
【福田正博 フォーメーション進化論】
欧州をはじめ各地域のW杯予選や大陸間プレーオフが終わり、ロシアW杯に出場する32カ国が出揃った。最大のサプライズは、イタリアが60年ぶりに出場を逃したことだろう。グループリーグでスペインの後塵を拝し、プレーオフではスウェーデンの堅い守備を崩せなかった。
プレーオフ2戦合計0-1で予選敗退となったイタリア 2010年の南アフリカW杯、2014年のブラジルW杯と、2大会連続でグループリーグ敗退を喫し、今回は欧州予選で姿を消した。国を挙げての改革に乗り出さなければ、厳しい現状は変わらない。
イタリア衰退の最大の原因は、世界レベルのFWが育っていないことに尽きる。イタリアサッカーの強みは、"カテナチオ"と称されてきた守備からの速攻だ。ついつい守備の堅さに目がいきがちだが、この戦術は、少ないチャンスをモノにできるストライカーがいてこそ成立する。
ロベルト・バッジョ、フィリッポ・インザーギ、クリスティアン・ヴィエリ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ......。名前を挙げればキリがないが、歴代のイタリア代表には「ここぞ」という場面でゴールを決められる選手が必ずいた。
今ではFWの存在感が希薄になったイタリアだが、偉大な先輩たちに並ぶような"点取り屋"を育てることができるのか。それとも、ストライカーに頼らないサッカーを構築するのか。大きな転換期を迎えているといえる。
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