ハリルJに「プランB」はあるのか。ベルギー戦は苦しい展開を見たい (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 リールはハリルホジッチ監督が自宅を構えている街だ。地元のサッカーファンやよく知るフランス人記者に対する強がりだったのか。おそらく指揮官自身も、本当のところはわかっているだろう。後半の日本がブラジルを脅(おびや)かしたわけでも、驚かせたわけでもなかったことを。

 日本はこの一戦に、積極的にプレスをかけて前からハメに行き、後半勝負へと持ち込むというゲームプランで臨んでいた。

「前半は無失点で、特に最初の15分間を耐えられれば、チャンスが生まれるという話をしていた」と槙野は明かす。酒井宏樹(マルセイユ)もこう語っていた。

「監督も『とにかく前から』ということをあえてチャレンジしたと思います。アジアで通用した部分があったので、トップ・オブ・トップが相手だとどうなるのか見たかったんだと思います」

 実際、立ち上がりの10分までは――ブラジルがスロースタートだったことはあるにせよ――トップ下に入った井手口陽介(ガンバ大阪)が相手からボールを奪い取るなど、日本の積極的な姿勢がはっきりと見えた。

 だが問題は、10分、17分に立て続けに失点を喫し、ゲームプランが崩れたあとだ。

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