2017.11.13

ウィリアンは言う。「どんなチームも
進化できる。日本もそうだといいね」

  • 井川洋一●取材・文 text by Yoichi Igawa
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 待てども待てども出てこない──。

 フランスのリールで行なわれた国際親善試合で日本代表を3-1で下したブラジル代表の選手たちは、試合後2時間近くが過ぎても、誰ひとりとして取材エリアに姿を現さなかった。

3-1というスコア以上に日本代表を圧倒したブラジル代表 現地記者に聞いたところ、ブラジルのチッチ監督は毎試合後、選手たちに必ず入念にリカバリーをさせるため、これくらい遅いことは珍しくないという。こんなことなら、ネイマールが涙したという記者会見に出ればよかったと思ったが、それはチッチ監督の意図によるものだったのだ。

 日本のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、戦前に「これほど組織的なブラジルはいまだかつて見たことがない」と称賛した現在のセレソンは、特に試合の前半でクラブチームのような高い練度を見せた。

 そして試合が終わった後は、4日後にイングランド戦が行なわれるロンドンへ向かう前に、体内に乳酸が溜まらないようしっかりとケア。また、記者会見でエースを泣かせたのも、56歳の指揮官の熱い言葉だったという。今季からパリ・サンジェルマンに移籍し、様々な重圧に晒されているネイマールを思い、彼を擁護する発言をしたのだった。

 世界のトップ中のトップが集うチームを、これほど緻密かつ求心力のある監督が率いている。ハリルホジッチ監督は「ブラジルがロシア大会の優勝候補」と述べたが、その意見には同意するほかない。