北澤豪が「これだけは許せなかった」という岡田監督の裏切り采配 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「1日経っても、いろいろと考えていたね。『俺、最終予選の途中で呼ばれて、そこから(予選を)突破してきたのになぁ』とか、4年前のドーハでのこととか......。でも、不思議なことに帰国するときには、『また4年後、勝負しよう!』っていう気持ちになれた。

 それはなんだろうなぁ~。子どもの頃から大事な場面で(メンバーから)外されたり、ミスって負けたり、そういう経験が生きているのかな。あのときも意外とへこたれなかったし、(サッカーを)やめようとは思わなかった。それ(精神的な強さ)が、サッカーで養われたものかもしれないし、サッカーで一番大事なものかもしれない。

 とにかくこの落選は、俺にもう一度、やる気を起こさせてくれた。あのときは、監督の岡田(武史)さんにムカついていたけど、どんな監督にも認められるような選手にならないといけないと思った。この悔しさはW杯に行くことでしか晴らせない。そのためには、もっとうまくなるしかないって思った。ドーハから4年、一生懸命やってきて『またかよ』って思ったけど、また『やろう!』って気になった。(ミラノで過ごした3日間で)そう思えたからこそ、すっきりした気持ちで日本に帰国することができた」

W杯メンバーから漏れ、帰国後に空港での会見に臨んだ北澤豪(右)と三浦知良。photo by Kyodo NewsW杯メンバーから漏れ、帰国後に空港での会見に臨んだ北澤豪(右)と三浦知良。photo by Kyodo News カズとともに帰国した北澤は、空港で会見を行なったあと、家族とともにすぐにグアムへ"逃亡"した。「(周囲から)好奇の目で見られるのが嫌だったし、家族もいろいろと言われてしまうので、日本にいたくなかった」という。

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