ハリルJにダメ出し。スペインの戦術家は「守備強度の低さ」を見抜く (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「得点シーンには攻撃戦術の要素が多く盛り込まれ、まさに"チームとしてのゴール"だった。スペースを作り、スペースを支配する。サポート、ダイアゴナルの動き、人がいないところに飛び込む、2列目からの飛び出し、こぼれ球への反応、なにより攻撃中のリスクマネジメントもできていた。チーム全体でコンビネーションを使った、素晴らしいゴールだった」

 ところが2-0とした後、日本のプレーは急速にトーンダウンした。

「日本の選手たちは"リラックス"してしまった。28分には、かなり長めのグラウンダーのロングパスを、FWデュカン・ナゾンの足下に通させている(コースを開けてしまった)。マークしたのは昌子源だったが、強度が低く、潰せていない。これで右サイドからの攻撃を展開され、中にボールを通されると、これを受けたケビン・ラフランスに対し、GK東口順昭が出るが、鼻先で突かれた。一連の守備で、遠藤航は簡単に置き去りにされ、小林祐希はラフランスに前を取られ、昌子も本来のポジションから釣り出されていた。どこを切り取っても、守備強度は低かった」

 53分には左サイドでファウルを犯してFKを与え、クイックリスタートで折り返され、ナゾンをフリーにして失点を喫している。

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