ハリルJにダメ出し。スペインの戦術家は「守備強度の低さ」を見抜く (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 自分たちがイニシアチブを持っているのがキックオフだということを覚えておくべきだ。なぜこんなことを言うのかといえば、日本も後半のキックオフでまったく同じくようにボールをプレゼントしているからだ」

 タクティクスとは、こうしたディテールを指しているのだろう。

「前半の日本は、尻込みしたハイチを相手に主導権を握っている。フォーメーションは4-3-3を選択。攻守両面で各選手の動きが噛み合っていた。相手のボールを奪った後、何度かコンビネーションからのショートカウンターを展開。ニュージーランド戦でも推奨したが、サイドバックの長友佑都がゴールライン付近まで駆け上がったことで、守りを崩すことに成功した」

 7分、杉本健勇がフリックしたボールを長友佑都が左サイド奥深くに持ち込み、ニアにクロス。これを2列目から飛び込んだ倉田秋がヘディングで合わせた。

「日本はその後も得点チャンスをたくさん作っている。長友は左サイドの奥まで進入。脅威を与えていた」

 17分には酒井高徳から乾貴士、浅野拓磨とつなぎ、杉本が倉田にラストパス。倉田のシュートはGKにブロックされたが、そのこぼれに杉本が反応しており、押し込んだ。これでリードを2点差に広げた。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る