ハリルJにダメ出し。スペインの戦術家は「守備強度の低さ」を見抜く (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「後半の2失点目に関しても、簡単にクロスを上げさせてしまった。守備が緩く、集中を欠いていた。また、エリア内でのマーキングも十分ではなかった。必然の失点だろう。

 追いつかれた日本の守備陣は、完全に受け身に回ってしまう。ハイチが勢いを得たことで流れに飲み込まれた。相手の中央部は守りが厚く、そこからのカウンターも怖いだけに、サイドでポイントを作りたかったのだろう。しかし後半は長友、酒井宏樹の不在の影響が顕著だった。押し返すことができないでいた」

 そして78分、ナゾンにミドルシュートを叩き込まれ、2-3と逆転されてしまう。

「3失点目も日本の守備強度が低かった。シューターに対して誰もブロックにいけていない。ハイチにバックラインのスペースを思うままに使われてしまった。ナゾンはサイドでボールを受けている。本来は右サイドバックに入った酒井高徳が厳しくいくべきだが、この瞬間、サイドは数的不利だった。中盤のサポートがなかったと言える。アンカーに入った遠藤はサイドまでカバーしないにしても、ただ上がる、下がるのではなく、もう少し横のスペースを意識してプレーする必要があるだろう」

 アディショナルタイム、日本は右サイドでポジションを上げた酒井高徳が放ったシュートのコースを香川真司が変え、どうにか同点に追いついている。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る