ハリルの選手起用で考える、守備的MFは永遠に「長谷部頼み」なのか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 中でも期待されたのは藤春だった。スピードがあるためカバーエリアが広く、長友のライバルになるかと思われた。だが、U- 23のオーバーエイジ枠で出場したリオ五輪(2016年8月)で、大きく評価を下げてしまう。第2戦でオウンゴールを献上。第3戦ではスタメン落ちの悲哀を味わったばかりか、以降、ハリルジャパンにも呼ばれなくなってしまった。

 結局、勝ち残ったのは海外組の3人。長友と2人の酒井だ。優勢なのは長友と酒井宏だが、酒井高には右も左もこなす多機能性がある。2017年3月のタイ戦には、守備的MFとしても出場。23人枠から外れにくい立ち位置を確保している。

 長友の代表試合出場数は現在97。100の大台は目の前だ。それは所属のインテルで、ポジション争いに苦しみながらも、最低限の出場機会を確保してきたことと大きな関係がある。

 ここ1、2年は綱渡りの状態にあるが、先のオーストラリア戦では、浅野拓磨の決勝弾を呼ぶ俊敏なアシストプレーを披露。日本を救う価値あるプレーを見せた。現在31歳。サッカー選手の寿命は延びているとはいえ、インテルでの出場機会は気になる問題。本番までの9カ月、安泰でいられる保証はない。

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