スペインの「名スカウト」が、イラク戦の日本代表13選手を個別評価

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by KYODO

ミケル・エチャリのイラク戦レポートはこちら>>

「フットボールは利発さが求められるスポーツである。相手よりも迅速に、正しい位置を取れるか。その予測も含め、ポジション的優位がモノを言う」

 そう語るスペインの指導者、ミケル・エチャリは、際だったスカウティング能力で高く評価されている。レアル・ソシエダで戦略担当スカウトをしていたとき、チームはチャンピオンズリーグに出場。その目利きは「千里眼」とも言われる。

 ハリルJAPANを継続的にスカウティングしてきたエチャリは、6月のイラク戦(と、直前のシリア戦)の選手たちをどう見たのか。ちなみにテストマッチのシリア戦については次のように述べている。

大迫勇也のゴールで先制、幸先のいいスタートを切った日本だったが...大迫勇也のゴールで先制、幸先のいいスタートを切った日本だったが...「シリア戦の4-3-3は戦術的な欠陥があった。まず、中盤3人の距離が近すぎた。サイドFWは下がってボールを受けに来ず、サイドバックもフォローが少なかった。結果、システム異常を生じさせていた。今シーズンのバルサも、イニエスタがいないだけで、このシステムの運用に戸惑うことになったが、全体の連係がないと難しい。

 ただ、日本は後半途中から本田(圭佑)がインサイドハーフに入り、状況は好転した。同じく途中出場の乾(貴士)も2度、3度と左サイドを破って、可能性を示している。この2人によって幅も深みも出て、周りにアドバンテージを与えた」

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