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本田圭佑は毒か薬か。「落選リスク」を
回避したハリルホジッチの思惑 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Sano Miki

 とりわけ減退著しいのはキープ力、シュート力、推進力など、アタッカーとしての攻撃能力だ。ミランで出場できないのも、モンテッラ監督との相性の問題ではなく、本田自身のアタック力が落ちたからだと見る。

 本田のピークは2011年のアジア杯。CSKA時代のケガの影響もあるのだろう。そこから徐々に低下していった。この調子でいけば、2018年6月には、さらに低下しているだろう。

「世界の一流クラブで練習に参加しているだけでも大きな経験だ」と、先日の代表選手発表記者会見でハリルホジッチは本田を持ち上げたが、もはやミランは世界の一流では全くない。なによりセリエAそのもののレベルが低い(欧州4位)。そこでミランは現在7位。ヨーロッパリーグ出場圏外にある。欧州クラブランキングでは41位だ。そして来年、再来年と、このランキングはさらに下がる。60位ぐらいまで転落するのは時間の問題だ。

 諸々を勘案すれば、スペインリーグ現在8位のエイバルより弱い――との見立てに大きな狂いはないはずだ。そのエイバルで現在スタメンを守り続ける乾貴士は招集されず、今季たった96分しか試合に出ていない本田が招集される。

 ハリルホジッチはつい4カ月前まで「所属チームで試合に出ていない人は使わない。できるだけ試合に出るように努力しろ」と、大きな声で繰り返し述べていたが、それとこれとの間に整合性は全くない。少なくとも乾には納得できない話だろう。

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