リオ生まれの日本代表キャプテン、ビーチサッカー・茂怜羅オズとは何者か (2ページ目)

  • 小崎仁久●撮影・文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 ビーチサッカーの醍醐味は、なんといってもアクロバティックなプレーだ。「スコップ」と呼ばれるテクニックでボールを浮かせてパスをするため、オーバーヘッドキックが試合中何度も見られる。派手なプレーだけでなく、砂上での瞬発力、ボディバランス、さらにボールコントロールやタッチの柔らかさなど基礎的な技術も求められる。

 そのビーチサッカーの日本代表キャプテンが茂怜羅オズだ。190センチ、86キロの堂々たる体格で、フィジカルの強さと破壊力のあるキックを持つ日本のエース。ただし、キャプテンマークを巻いていることでも分かるように、オズはパワーだけの選手ではない。4人のフィールドプレーヤーの最も後方にポジションを取る「フィクソ」として攻守を組み立てる能力があり、パスセンスにも優れている。ゲームの読み、判断力、リーダーシップも持ち合わせ、「世界最高のフィクソ」とも呼ばれている。

 オズはリオデジャネイロのコパカバーナ地区で生まれ、6歳でビーチサッカーを始めた。すぐにボールを蹴る才を見せ、ジュニア時代にはCRヴァスコ・ダ・ガマで「普通」のサッカーをプレーし、何度もスカウトを受けた。しかし「海で生まれて、海の雰囲気が好きだったし、裸足で蹴るのが好きだった。楽しいことがしたかった」とオズはビーチサッカーを選択する。「家族やコーチには『普通のサッカーをやれば、給料いっぱい貰えるのに......』とよく言われた」と笑う。

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