代表での不当評価に異議あり。大島僚太を生かせない日本に未来はない (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、さすがにこのままでいいと考えているはずはなく、若手の起用を積極的に進めようという意図がうかがえた。目先の勝負だけでなく、2年後、さらには6年後まで見通したとき、それは好ましい傾向である。

 とはいえ、気になるのは、UAE戦でA代表デビューとなった大島の評価である。

 確かに、大島は1失点目の発端となるパスミスを犯し、2失点目につながるPKを与えた。敗戦の原因に直接関与したという意味では、デビュー戦の印象は最悪なものだったかもしれない。

 しかも、そんな印象にダメを押すかのように、ハリルホジッチ監督は大島について「もう少し期待していた」と語り、「攻撃のスピードアップ」と「前へのパス」を具体的な問題点として指摘した。

最終予選初戦のUAE戦で代表デビューした大島僚太最終予選初戦のUAE戦で代表デビューした大島僚太 だが、大島がプレーした70分あまりを総じて評価するなら、決して悪い出来ではなかった。

 大島は精神的重圧のかかる最終予選という大舞台にいきなり立たされても、緊張する様子も見せず、いつものように淡々とボールを受け、落ち着いてパスをさばいていた。

 指揮官が指摘するように、あっさりとバックパスしてしまう場面が何度かあった(そのつど、ベンチ前では指揮官が両手を広げて不満を表に出していた)のは事実だが、だからといって、そればかりに終始していたわけではない。効果的な縦パスも少なくなかった。

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