代表での不当評価に異議あり。大島僚太を生かせない日本に未来はない (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 また、守備での貢献度も思いのほか高かった。素早い攻撃から守備への切り替えにより、中盤でカウンターの芽を摘むこともできており、体は小さくとも当たり負けしない強さも見せていた。

 リオ五輪でのプレーぶりを見てもわかるように、大島には味方も敵も、ピッチ上のすべての選手の立ち位置が把握できているかのごとく、的確にスペースを突いてパスを出せるセンスがある。これは、誰にでも真似のできるものではなく、おそらく天賦の才だ。Jリーグでプレーする国内組はもちろん、海外組を含めても、代えの利かない才能である。これを日本代表で生かさない手はない。

 最終予選後、最初のリーグ戦となったJ1セカンドステージ第11節。年間勝ち点で首位を走る川崎フロンターレは、同最下位のアビスパ福岡を3-1で下した。

 5人のDFと4人のMFで守備を固める福岡に対し、川崎は持ち味であるショートパスを徹底的につないで圧倒した。そのパスワークのなかで、大島が重要な役割を果たしていたことは言うまでもない。

 川崎のキャプテンであり、日本代表の先輩でもあるMF中村憲剛は、「僚太はあまりにも取り巻く世界が変わり過ぎて、それを整理するのが大変なんだと思う」と気遣いつつ、「代表のプレッシャーにもさらされているなかで、あのタフさはたいしたもの」と、堂々とプレーし続ける頼もしい後輩を称える。

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