木村和司が申す「五輪代表に幻滅。日本サッカーは退化しとるのぉ」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――実際、U-23代表のシステムは4-4-2。4-2-3-1をベースとしているA代表とは違っていました。

木村 それだけでも、上とのつながりを何も考えていない証拠じゃろ。それは、Jリーグでもよくある話。サンフレッチェ広島とか、鹿島アントラーズとか、チームのコンセプトがきちんと確立されているクラブ以外は、ユースとトップチームとがまったく違うサッカーをやっていることがある。それって、明らかにおかしな話よのぉ。今のU-23代表は、まさにそれと同じで、何を考えているのか、ようわからん。

――それでも、2戦目、3戦目もあっさりと勝利を飾りました。

木村 2戦目のタイ戦にしても、やっているサッカーは北朝鮮戦のときと大差なかった。4-0で勝ったけど、それぞれのゴールにこれといったチームとしての意図、狙いのようなものは感じられなかった。相手が相手だから、結果として4ゴール奪えただけ。

 3戦目のサウジアラビア戦にしてもそう。自分たちのサッカーというものがないから、相手のシステムに合わせて、相手のよさを消すサッカーに徹して勝ったに過ぎない。攻撃でも、1対1の関係だけで、ふたり目、3人目の選手が絡んでくるシーンはほとんど見られんかった。

 それに、勝っても負けても大勢に影響がない日本と、勝たなければいけないサウジアラビアでは、心理的な差があったよのぉ。日本も切羽詰まった状態だったら、あそこまで落ち着いてプレーできんかったじゃろ。逆の結果になっていた可能性は十分あるわのぉ。

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