東アジア杯予備登録50人。ハリルJに最適な「新戦力」とは (3ページ目)
左利きの車屋は足もとの技術に優れ、ドリブルもうまい。今季川崎では4バック時の左サイドバックや、3バック時の左アウトサイドを務めることが多かったが、セカンドステージ開幕戦では4バック時の左センターバックを務めるなど、自在性は高い。ビルドアップからの攻撃参加に才を見せるDFである。
実は左サイドのDFにレフティーを置くことは、ハリルホジッチが目指す攻撃のスピードアップにおいて重要な要素となる。
例えば、左センターバックが左サイドに開きながらボールを受けたとき、高い位置にいる左サイドバックや左MFに左足でパスを出せると、一連の動きの流れはかなりスムーズだ。しかし、これがパスを出すときに、一度右足にボールを持ち替えなければならないとなると、どうしてもワンテンポ遅くなり、相手からもパスが読みやすくなる。
それは、左サイドバックにも言えることで、右足でボールを扱おうとすると、中央には入っていきやすいが、どうしても縦へのスピードアップはしにくくなり、サイドを深くえぐることが難しくなる。だからこそ、レフティーのDFは貴重なのだ。
身長178cmの車屋は、センターバックとしては小柄だと言わざるをえない。日本代表に定着しようと思えば、主戦場はサイドバックになるだろう。だが、相手に応じて戦い方を柔軟に変化させたい指揮官にとっては、戦術的オプションを増やすという点で重要な存在になれるはずである。
武藤もそうだが、年代別代表での国際経験が豊富という選手ではないだけに、早く日本代表に抜擢して経験を積ませたい素材だ。
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