東アジア杯予備登録50人。ハリルJに最適な「新戦力」とは (2ページ目)
今季、ベガルタ仙台から浦和へ移籍してきた武藤は、しかし、仙台では絶対的な主力選手ではなかったこともあり、その実力には懐疑的な見方もあった。今季開幕当初のJ1で「ムトウ」と言えば、FW武藤嘉紀(FC東京→マインツ/ドイツ)のことであり、「もうひとりのムトウ」が注目を集めることは少なかった。
ところが、武藤本人が「浦和のサッカーは決まり事が多く、キャンプでは怒られていたが、それが自然とできるようになってきた」と話しているように、試合を重ねるごとにチーム戦術に適応。そのうえで自身の特徴を十二分に発揮し、存在感を強めていった。
武藤の特徴は、相手DFとMFの間の狭いスペースでも巧みにポジションを取り、縦パスを引き出せること。そして、ボールを受けたら前を向いて仕掛けられることだ。しかも、ただ闇雲に前を向こうとするのではなく、状況次第ではシンプルにワンタッチでさばくこともできる。ともに左サイドでプレイするMF宇賀神友弥、槙野とのコンビネーションのよさがそれを証明しており、周囲をうまく生かしながら自らも生きる術に長けているのが、武藤の武器だ。その結果が、チーム最多の9ゴール(セカンドステージ第3節終了時)である。
J1ファーストステージのMVPと言ってもいいほどの活躍を見せた武藤は、今がまさに旬のアタッカー。日本代表の2列目はハイレベルな最激戦のポジションではあるが、ぜひとも国際舞台で見てみたい選手だ。
FWの注目株が武藤なら、DFで推しておきたいのは車屋紳太郎(川崎フロンターレ)である。
2 / 4