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東アジア杯予備登録50人。ハリルJに最適な「新戦力」とは (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 そして最後にもうひとり、「リオ世代」からMF遠藤航(湘南ベルマーレ)を挙げておきたい。

 リオ五輪を目指すU-22代表では、代えのきかないボランチとして主力を成す遠藤だが、所属の湘南では3バックの右DFを務める。以前は3バックの中央を務めていたこともあり、本職はセンターバックだ。機を見てゴール前にまで進出する攻撃センスを持つが、ベースには高い守備能力を備えている。

 車屋と同じく、身長178cmとセンターバックとしては小柄だが、サイズから考える以上に空中戦にも強い。世界を相手することを考えればボランチのほうが適役だろうが、例えば、負けている試合でDF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)を前線に上げるなど、試合展開によってはDFラインに入ることもできる遠藤は、戦術的な幅を広げる存在になれる。その点ではハリルホジッチにとって、重宝する選手となるはずだ。

 また、遠藤は若いながらキャプテンシーにも優れ、将来的にはリーダーとしても期待できる。今回は欧州組が招集されず、しかもU-22代表の活動と重なることもないため、「リオ世代」を試す絶好の機会でもある。となれば、同世代を引っ張る遠藤はその最有力候補。前記したふたりに比べても、年齢こそ若いが、Jリーグや年代別代表での経験は彼ら以上に豊富で、日本代表でも十分に活躍が期待できる選手である。

 振り返れば、ザッケローニはメンバーを固定しすぎたあまり、日本代表に停滞を招いた。結果的には、それがブラジルW杯で惨敗を喫する一因にもつながった。

 それに比べ、ハリルホジッチは新戦力の抜擢に積極的な姿勢を見せている。これまでの日本代表監督が見向きもしなかったFW宇佐美貴史(ガンバ大阪)を主力に据えたのは、その最たる例だろう。

 強気な発言を繰り返し、あふれんばかりの野心を隠そうとしない新指揮官は、おそらくメンバー発表の中にも“自分なりのカラー”を打ち出してくるに違いない。

 初のタイトルマッチに臨むハリルホジッチの選手選考に注目したい。

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