日本代表のエースへ。宇佐美貴史が本気になった瞬間 (3ページ目)
そうした変化は、彼の高い向上心による部分が大きいが、それ以上に日本代表でプレイしたい、という意欲が急激に高まったからである。
宇佐美が語る。
「3月に(代表に)呼ばれて、やっぱり代表はいいなって思いました。そこに続けて呼ばれるためには、(チームでも)もっと質の高いプレイをして、結果を出していくことが大事。そのためには、いい意味で気が休まることがありません。“集中”という糸を張り詰めた精神状態でやっていく必要があるな、と思っています」
そして今回、W杯予選を戦うメンバーに招集された際には、代表で生き残っていくために、宇佐美はある行動に出た。相手の裏を狙うプレイに長(た)けた、FW岡崎慎司にいろいろな質問をしたという。
「(岡崎には)どういう意識でプレイしているのか、プレイ中、どんなところを見ているのか、そんなことを聞きました。あと、(味方から)ボールが出てこなくても、常に(相手の裏を狙って)走っているじゃないですか。それだけの根気強さを持っていると思ったんで、それを確認したかった、というのもありますね」
さらに宇佐美は、代表に生き残るだけでなく、スターターとしてのポジションを確立するために、インパクトを残すことを重視した。
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