2015.06.18

W杯予選初戦ドローでもハリルホジッチに期待できるワケ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Takahashi Manabu

6月特集 ブラジルW杯から1年 ~日本代表と世界はどう変わったのか?~(6)
 シンガポール代表を相手に、よもやのスコアレスドローで終わったW杯予選の初戦を振り返り、「ショックに似た感覚を持っている」と語ったヴァヒド・ハリルホジッチ日本代表監督。思わぬ結果に冷静さを失ったのか、語気を強めてしゃべり続ける指揮官の様子を見ていて、強い既視感を覚えた。正確に言えば、既”聞”感ということになるのだろうか。

シンガポールを相手に無得点で引き分け、ショックを隠せなかったハリルホジッチ監督 今年3月に就任した日本代表監督の話を聞いていると、10数年前に日本代表を率いたフィリップ・トルシエ元監督(1998年~2002年)とダブって仕方がないのだ。

 それはただ単に、ふたりともフランス語で激しくまくしたてるから、ということが理由ではない。

 記者会見中に、何度も何度も「100%決まるだろうという決定的なチャンスを19回も作った」と負け惜しみを口にし、記者からの質問とは無関係に自らの主張を繰り返す。

「私のことを非難するのは構わないが、選手のことはプロテクトしたい」と言っておきながら、「中央から攻めすぎているので斜めの逆サイドへのパスを要求したが、実現しなかった」と、自分の指示を選手が実行できていなかったことを指摘する。

 そんな様子が、2002年ワールドカップ日韓大会で日本代表を指揮したフランス人監督と重なるのである。ときに選手を名指しであげつらうことさえあったトルシエに比べれば、表現はマイルドだが、激しい口調と併せてトルシエを想起させた。