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ハリル戦術のカギ。サイドアタッカーは発見できたか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

 ザッケローニの後任だったハビエル・アギーレ監督も、この点で苦労した。カウンター、サイドアタック戦術を実行したくても、然るべき人材が乏しい。育成年代もポゼッション主義を貫いてきた弊害と言えよう。メキシコ人監督は苦肉の策としてサイドアタッカーには本田、岡崎を起用したが、戦術的に機能しなかった(岡崎は突破してクロスを上げるタイプではなく、結局はセンターフォワードに戻っている)。

 今回、ハリルホジッチ監督が試したメンバーにも、アルジェリアのフェグリのように“縦に向かってギアを入れ、精度の高いパスを折り返す”、ウィングのようなプレイを得意とする選手はいない。能力は高いが、サイドアタッカーとしては“帯に短し、たすきに長し”といった印象だろう。

 そもそも大迫は本来センターフォワードで、永井もそれに準ずる。乾はドリブルだけを取ってみれば世界水準だが、中に入って突っかけるようなプレイが多く、トップ下の選手がサイドに開いたときの動きに近い。これは本田、宇佐美にも共通していることだが、中央で連係し、ゴール前に入っていくプレイを持ち味としており、縦への鋭い突破や裏へ走る回数が少ないのだ。

「代表選手というのは常に野心旺盛でなければならない。競争力の中でこそ、選手の能力も高まる」

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