ハリル戦術のカギ。サイドアタッカーは発見できたか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

 ウズベキスタン戦後の会見で指揮官は語ったが、サイドアタッカーもこれから熾烈な競争が始まるだろう。

 過去5年、Jリーグで最もサイドアタッカーらしい選手は、FC東京の石川直宏かもしれない。2010年前後、背中に翼が生えたような爆発的瞬発力と猛禽類のように狙い打ちするシュート精度は、間違いなく世界標準だった。先日のナビスコカップ、アルビレックス新潟戦で見せたドリブルシュートでも衰えていない技量を示していた。しかし現在は33歳でケガと格闘する今の石川は、所属クラブで試合出場を重ねるのが先決だろう。

 現実的な候補としては、横浜F・マリノスの齋藤学がいる。仕掛け、崩す、という部分だけでなく、縦に突破して折り返す、というウィング的な仕事のクオリティが高い。中に切り込んでのシュートの形を持つ選手は多いが、齋藤は縦への突破力にも秀でる。今シーズン、所属クラブではFWとしてプレイする機会が多いが、裏に走って決定的仕事ができる点は魅力的だろう。

 ともあれハリルホジッチ政権は発足したばかりである。スカウティングもまだ十分とは言えない。週末からはJリーグが再開するが、次回以降の代表メンバーが注目される。

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