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ハリルJAPANで現実を知った「決して喜べないゴール」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki  photo by AFLO

 選手がアップデートされていない日本の悩ましい現状を再認識させられることになった。試合後、期待に胸を膨らませているようにみえたハリルホジッチとは、まったく別の思いを抱くことになった。4年前と変化なし。畑には、新しい芽がほとんど芽吹いていない。大袈裟に言えばそうなる。

 唯一、明るい希望を抱かせたのは後半44分のシーン。後半27分に交代出場を果たした宇佐美貴史が、香川からスルーパスを右足で流し込もうとした瞬間だ。シュートは無情にも右ポストを叩き、ゴールはならなかったが、新生日本代表の門出にふさわしい胸の透くようなプレイだった。

 とはいえ、宇佐美は現在22歳。まもなく23歳を迎える。2018年には26歳になっている彼を、期待の若手と言って、もてはやすわけにはいかない。

 この日、日本は21歳以下で構成される五輪チームが、その予選でマカオと対戦。7−0で勝利を収めたが、最初から大勝することが分かっている弱者相手に、フルキャストで臨む必要があっただろうか。2018年を考えれば、主要メンバーは今のうちからA代表に加え、ハリルホジッチの下で鍛えるべきではないのか。

 五輪チームの在り方を考え直す時期に来ていると僕は思う。A代表に有能な選手があふれかえっているならともかく、そうではない状況にある今、それぞれが別々に行動する姿は、とても暢気(のんき)に見える。

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