なでしこ4強。若手中心でも成功した「イメージの共有」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

9月特集 アジア大会2014の発見!(16)

 アジア大会準々決勝で、なでしこジャパンは大量9得点を叩きだして香港を撃破。香港の攻撃陣にシュートを打たせることなく、圧倒的大差をつけて準決勝にコマを進めた。

開始早々得点を決めて、日本に勢いをつけた増矢理花開始早々得点を決めて、日本に勢いをつけた増矢理花 スタメンは宮間あや(湯郷ベル)、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)のボランチを外して温存。中島依美(INAC神戸)、猶本光(浦和)のふたりが中軸を担った。ケガ人が続出したFWは吉良知夏(浦和)と増矢理花(INAC神戸)でスタート。そしていきなりこのふたりが絡んで先制点を生んだ。開始3分、右サイドからの川澄のクロスに合わせた吉良のボールはクロスバーを直撃するも、跳ね返ったところを増矢が押し込んだ。

「なかなか結果が出なくて、でも惜しいところまでは行っていたので、あとは自分が冷静に決めるだけだった」(増矢)

 開幕から何度もチャンスはあった。果敢にトライを続けたが、格下相手に何度もそのシュートは阻まれた。待ちに待ったゴールで、「1点取れば変わる」と使い続けた佐々木則夫監督の期待にようやく応えることができた。このゴールを皮切りに日本のゴールラッシュが始まった。

 右サイドバックの羽座妃粋(日本体育大学)の鋭いクロスが相手のオウンゴールを誘って追加点を挙げると、前半だけで4ゴール。後半開始早々には岩清水梓(日テレ・ベレーザ)がミドルシュートで豪快にネットを揺らすと、木龍七瀬(日テレ・ベレーザ)、髙瀬愛実(INAC神戸/後半から出場)、菅澤優衣香(ジェフ/後半から出場)らが次々とゴールを重ね、終わってみれば9ゴールの大量得点だった。守備においては、シュートをゼロに抑え完封勝利。危なげなく勝利を掴んだ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る