U-21手倉森J敗退。スコア以上に感じた韓国との差

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

9月特集 アジア大会2014の発見!(19)

 アジア大会の男子サッカー準々決勝で、日本は地元・韓国に0-1で敗れた。4年前に続く金メダル獲得を狙った日本だったが、2連覇はならなかった。

韓国に0-1で敗れ、ベスト8止まりだったU-21日本代表韓国に0-1で敗れ、ベスト8止まりだったU-21日本代表 試合終了直前のPKを取られるという悲劇的な結末ではあったが、内容的に見れば妥当な敗戦だった。

 試合は地元の大声援に後押しされた韓国が、終始日本ゴールに迫る展開が続いた。日本にも何度かチャンスがあったが、概(おおむ)ね攻勢に試合を進めていたのは韓国のほうだ。

 ボール支配率は韓国56%対日本44%。シュート数は韓国11本対日本3本。コーナーキック数に至っては韓国4本に対して、日本はゼロだった。数字にもその事実がはっきりと表れている。

 それでも前半に関しては、日本もうまく戦えていたと思う。奪ったボールを攻撃につなぐこともできていた。センターバックの岩波拓也は言う。

「韓国は勢いがあって球際に強かったが、(プレスを)一個外せばチャンスになると思っていた。前半はいい戦いができたんじゃないかと思う」

 だが、ハーフタイムを挟み、流れは一変した。岩波が続ける。

「韓国は後半、早い時間から前に出て、点を取りに来た」

 左MFの中島翔哉が「自分がボールを受けて時間をつくることが必要だった」と話したように、後半の日本はただ自陣で耐えるばかりで、反撃に出ようにも前線にボールが収まらない。ほとんど韓国陣にすら入れなかった。ボランチの遠藤航が振り返る。

「最後(のゴール前の場面で)体を張って守ることはイメージしていたし、ワンチャンスを決めたいと狙っていたけど、チャンスなく終わってしまった」

 PKは不運な面もあったが、あれがなければと悔やむほど、拮抗した内容だったわけではない。

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