本格派アタッカー不足の日本代表。その理由と対処法

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

検証ザックジャパン(5)
ポジション別日本の弱点(後編)

 ブラジルW杯に出場した32ヵ国の中で、日本人選手の平均身長は30番目。前編(『貧弱なセンターバックこそ日本代表の根本的問題である』)では、低身長国のハンディとしてセンターバックにまつわる問題について触れたが、今回はその延長上としてフォワードに目を向けてみたい。

ブラジルW杯で無得点に終わった大迫勇也ブラジルW杯で無得点に終わった大迫勇也 そもそも日本には、運動能力に優れた大型のアスリートが絶対的に不足している。バレーボール、バスケットボール、ハンドボール等、そもそも上背が必要な競技以外で目につくのはプロ野球だ。

 ダルビッシュ有、田中将大、黒田博樹、岩隈久志、大谷翔平......。野手にも、サッカーでも大物になったのではないかと、無い物ねだりをしたくなる大型選手が数多く存在する。

 アスリート能力の高い大型選手は、日本スポーツ界にとって一握りの、限られた人材だ。まさに金の卵。それがサッカー界にあまり流れてこない。プロ野球選手とJリーガー。その年俸の差は倍以上に及ぶ。サッカーが金銭的な魅力で野球に大きく劣ることが、彼らを逃している一番の原因だろう。そのうえサッカー界には、憧れの対象となる大型選手がいない。それ以前に、大型選手が憧れの対象になっていない。

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