ブラジルW杯惨敗の引き金になった「本田の言葉」
検証ザックジャパン(3)
サッカージャーナリスト座談会(後編)
ザックジャパンはブラジルW杯でグループリーグ敗退に終わった。その敗因を厳しい目線で分析していくサッカージャーナリスト座談会。今回も、杉山茂樹氏、浅田真樹氏、中山淳氏の3人が激論をかわし、さまざまな角度から問題点をあぶり出していった。そして、日本サッカーがこれから飛躍するためには何をすべきか、検証した――。
期待されたW杯で、普段どおりのプレイができなかった日本代表の面々。欧州組の選手がメンタル面の弱さを露呈したワケ
――ブラジルW杯に挑んだ日本代表について、前回(8月21日配信「『自分たちのサッカー』に執着した日本が失ったモノ」)は、本能的なプレイの欠如、技術レベルの低さなどを指摘していただきました。その他に、何か気になったことはありましたか。
浅田 メンタル的な部分かな。ヨーロッパでプレイする選手が多くなって自信をつけたのはよかったけど、日本代表ではまだ何も成し遂げてないのに、どこか"強者のメンタリティ"になってしまっていた。
杉山 暗示だったんだよ、己に対する。「自分たちは強いんだ」って。
浅田 そうだと思う。それが本当の自分のメンタリティで、何事にも動じずにいられるんだったらよかったんだけど、いざ本番を迎えたら全然そんなことなくて、選手のほとんどが、カラ元気というか、一種の躁(そう)状態になっていた。
杉山 だから、暗示が解けてしまったときには、何の対処法もなかった。
中山 なかったですね。ただただ、呆然としてしまった感じ。
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