2014.08.21

「自分たちのサッカー」に執着した日本が失ったモノ

  • photo by Masuda Yuichi,Sueishi Naoyoshi

検証ザックジャパン(2)
サッカージャーナリスト座談会(中編)

サッカージャーナリストの杉山茂樹氏、浅田真樹氏、中山淳氏によるザックジャパン検証座談会。今回は、ザッケローニ監督が就任してからの4年間のチーム作りと、ブラジルW杯における日本代表の戦いぶりを振り返って、そこで生じた問題を徹底的に掘り起こしていく――。

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2012年6月、W杯アジア最終予選初戦のオマーン戦(3-0)に快勝した日本。当時が、ザックジャパンのピークだったかもしれない。W杯までの4年間をひとりの監督に託していいのか

――ブラジルW杯本大会にピークを持っていく短期的なコンディショニングとは別に、長期的、つまり4年間のチーム作り全体を見たときの、ザックジャパンのピーキング(重要な大会や試合などに向けて、選手が最高の状態で、最高の能力を発揮できるように調整していくこと)は、どうだったと思われますか。

杉山 ザックジャパンのピークを考えた場合、メンバーを固定化したことの影響が大きい。W杯まで4年間ありながら、早々にチームが出来上がって、ザッケローニ監督が日本代表を率いて2年でチーム作りが終わっちゃった。残りの2年は、もうザッケローニ監督がいらなくなっちゃったよね。そこから、チームは負け始めて、下降線をたどっていった。ひとりの監督に4年間指揮を執らせるんだったら、かなり綿密なスケジュールを練らないと。

中山 日本代表監督の契約に関しては、いっそ3カ月更新にするっていうのもありかもしれませんね。メディアはもちろんのこと、日本サッカー協会(以下、協会)も、それぐらい代表監督にはプレッシャーをかけていかないと。契約をかわした瞬間、4年間も保障されて、何の重圧もない日本で好きなように振る舞えるなんて、そんなぬるま湯に浸かっていたら、誰が監督になっても、人間としてダメになってしまいますよ。

浅田 4年間通してのピーキングという点では、僕もメンバーの固定化が問題だったと思う。杉山さんが言うように、チームが早く完成し過ぎちゃった。2年前には、「今、W杯があれば、いいところまで行ける」って思っていたから。でもその後は、ただ惰性で転がっていくだけで、(チームとしての魅力が)何もなくなってしまった。土壇場になって急に、FW大久保嘉人(川崎フロンターレ)をメンバーに加えたり、信頼していたはずのMF遠藤保仁(ガンバ大阪)を使わなくなったりしてバタついていたけど、そんなことは前々から準備しておくべきだった。いろいろと試す時間は十分にあったんだから。