【なでしこ】U-17女子W杯、グループリーグ突破で整った頂点への準備 (2ページ目)
初戦でベストメンバーを揃えた高倉麻子監督。パラグアイとの第2戦ではメンバーを4名入れ替え、ポジションにも手を加えた構成となった。ナイトゲームの第2戦は初戦と同じ会場で行なわれたが、気温は20度まで下がり、強風のため体感温度はさらに下がる。
「ロングボールを怖がりすぎてラインを上げられなかった」とDF市瀬奈々(常盤木学園高)が言うように、DF裏のスペースをケアするあまり、攻撃を押し上げることができない日本。
さらにはこの試合でもバタつく立ち上がりになり、パラグアイにいきなりシュートを浴びる。しかし、日本も立て続けにCKを得て、相手ゴールを脅かすとなんとか落ち着きを取り戻す。15分、仕掛けたMF平塚万貴(西南フットボールクラブU-15)のボールはDFのクリアにあうも、そのこぼれ球を長谷川が決めて先制ゴール。その後、DF遠藤優(浦和レッズレディースユース)、DF宮川がゴールを重ねて3-0。
すると後半、日本は攻撃陣が大爆発。開始2分、右CKの混戦から市瀬が決めて4点目を叩き出すと、面白いようにシュートが決まる。
杉田にいたっては75分から11分間であっという間にハットトリックを達成。初戦に続き、この試合でもマッチMVPに選ばれた。終始主導権を握り続けた日本が10-0と圧勝、連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
メンバーを入れ替えた第2戦からさらに8枚を変えて臨んだグループリーグ最終戦の相手はニュージーランド。守備に定評のあるチームだ。課題のゲームの入りは上々。20分、初スタメンのFW齋原みず稀(アンジュヴィオレ広島)がゴールライン際まで持ち込んで中へ戻すと、FW小林里歌子(常盤木学園高)を飛ばして、走り込んできた長谷川がゴール。
しかし、ニュージーランドの最終ラインに粘り強く跳ね返されていくうちに、攻撃は単調になり、その後は互いに沈黙したまま前半が終了する。
「アクションを起こすタイミングがみんな一緒になってる。変化をつけよう。タテへのドリブル突破もやっていこう」とハーフタイムに高倉監督からの指示を受けて、停滞していた攻撃が徐々に流れ出した。
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